2023年4月1日、8日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2023年4月のテーマは3月から引き続き「在宅医療における患者さんの要望にどのように応えるか!(3)」です。今回は(4月前半)のお話です。
在宅医療における患者さんの要望にどのように応えるか!(3)
患者さんに「在宅医療における選択肢をいくつか提示する」と言うお話しを前回しましたが、これって医療従事者側の意見なんですよね。例えば、ひろこさん(ラジオパーソナリティー)がお父様(故人)の件で、お医者さんから説明された時、どうでしたか?
(ひろこさん)私の場合は、父がそんなに早く肺炎で亡くなるとは思っていませんでした。入院先では点滴、抗生物質での治療でしたが、症状が良くなることはなく繰り返し肺炎になってしまっていました。コロナ禍だったことから、入院先で会うこともできないため治療方針の判断は私と母で行っていました。今、考えると結果的にその判断が良かったのか考えることがあります。最終的には症状が悪化して本人が本当に辛そうだったため、モルヒネを投与してもらいました。お医者さんに言われることが、理解できていない言葉も多いので正しい判断ができなかった記憶があります。
そうなんですよね。医師の場合はそれが仕事であるので、今まで何百、何千と言うケースを見ていますが、ご家族にとってはたった1ケースの出来事です。普段使わない医療用語を使われても、理解できないケースは多々あると思います。
前回、お話ししたアドバンス・ケア・プランニング(ACP)でご家族、親御さんの終末期について話しておくべきですよね。例えば、親御さんが70歳をすぎて膝が動かないなど、何かあった機会にそういった話し合いをすることは重要なのでしょうね。
最近のケースでは、今年の1月に突然、寝たきりになってしまった患者さんがいました。普通の診察では脱水症状位しかわからず、血液検査とすると炎症反応があることがわかりました。その後、レントゲンを撮ると右の肺が機能していませんでした。
超音波をあてると肺に水が溜まっていることがわかりましたので、800ccの水を肺から抜きました。その800ccはすべて膿でした。そういった診察結果をご家族の方に提示すると、当初、考えられていたことより重症と言うことのご理解とご納得があったため看取る方向での治療になりました。
(ひろこさん)私の場合は、父が入院した時は歩いて病院まで行けたので、弱っていく過程が見ることができず「今の状況をご覧ください」と病院側に言われ「かなり症状が悪化しているのでびっくりしないでくださいね」と言われショックでした。在宅医療の場合、そういった過程を確認することができるので良いと思いました。
今の時代ってテクノロジーが進んでいるじゃないですか。なかなか、口頭の説明だけでご理解いただくのは難しいのではと思っています。実際のレントゲン画像などを見ていただいたほうが納得できると思うのです。在宅医療と言えど、検査はある程度すべきと思うのが僕の医療の方針ですね。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
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icon-external-link 「在宅医療における患者さんの要望にどのように応えるか!(3)」2023年4月(前半)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2023年4月1日、8日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz