2023年5月6日、13日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2023年5月のテーマは「健康の社会的決定要因について(1)」です。今回は(5月前半)のお話です。
健康の社会的決定要因について(1)
最近、学会で面白いと感じた「健康の社会的決定要因」についてお話しをしたいと思います。健康の社会的決定要因と言う言葉は、あまり一般的には知られていない言葉だと思いますので、わかりやすく説明していきます。
昔、日本で生活している人、日本からハワイ(ホノルル)へ移住した人、日本からアメリカ(サンフランシスコ)に移住した人、この三パターンのお話しです。この中で、日本からアメリカ(サンフランシスコ)に移った人たちが、圧倒的に心血管疾患が多くなったことが研究結果でわかりました。
これはどうしてかと言うと、まず昔のアメリカと言うと大きいハンバーガーにコーラと言うイメージがあるかと思います。また、日本に比べて銃社会のため治安と言う面でも日本に比べて不安があります。つまり、病気の発症とは環境因子などの社会的な因子が多いと言われるようになっていることが「健康の社会的決定要因」と呼ばれるものです。
健康をキープできる要素
- 病院、医師が関わる約20%
- タバコやお酒の飲みすぎ、食べるもの、住環境などが約30%
- 学歴、誰かの支え、資産、仕事が安定しているかなどが約40%
これが健康をキープできる要素の割合と呼ばれています。
2010年から2014年においての社会経済指標と見てみると、豊かな生活環境とそうじゃない環境との平均寿命の差が、男性なら2.5歳、女性なら1.2歳差があると言われています。また学歴についても中卒の人、大卒の人の健康寿命でも差がでていると言われています。
この原因を考えて見たのですが、学歴の場合は、健康寿命について学ぶ機会が多く、さらに企業務めした際にも、中小企業より大企業のほうが健康診断などの検診も多いため健康寿命が長くなるのでは思います。
また脳血管疾患についても、仕事が落ち着いている、落ち着いていないだけでも死亡率が変わってくる統計データがあります。これは、不安要素が多いことで自律神経の乱れなどに繋がるからではないでしょうか。但し、私自身は「夢を追いかける人」をむしろ応援したい側ですが、統計的にはこういったデータがあることをご紹介しました。
あとは、孤立・孤独についても死亡リスクが高くなっています。これは喫煙者と同じくらい死亡リスクが高まる統計データがあります。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-headphones 詳しくは下記のリンクよりご聴取ください。
icon-external-link 「健康の社会的決定要因について(1)」2023年5月(前半)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2023年5月6日、13日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz