前回は骨粗鬆症骨粗鬆症骨強度(骨の強さ)が低下して、骨折しやすい状態になることです。についてお話ししました。今回は当院での在宅での骨粗鬆症への関わり方についてお話しします。
まず日頃の診療では、転倒する危険性がないか生活環境を観察しています。例えばベッドやソファからの立ち上がり時にふらつきがないか、歩行が不安定な方は時に広い居間などでつかまるところがあるかどうかなど生活環境のリスクの評価をしています。
理事長 松原 清二
また日頃の問診では、最近背が縮まっていないかどうかの確認を行います。実はこれは隠れ脊椎の圧迫骨折があるかどうか、また、以前大腿骨や脊椎の骨折をしていないかどうかの確認になっています。
さらに、疾患として呼吸器疾患やステロイドの内服など骨粗鬆症のリスクがあるかを拾いあげ、その後には、超音波で踵骨部に骨塩定量検査を行い、骨粗鬆症の有無を確認し、必要があれば骨を強くする治療を行なっています。
骨は、骨の産生を促す一方で骨を破壊するバランスの上で成り立っていますが、症例に応じて骨の産生を薬剤でより促進する、骨破壊の速度を阻害するなど薬剤決定をしています。
在宅医療で関わる方々においては、転倒や尻餅をついた際に簡単に骨折してしまうことも珍しくないので、なるだけそのリスクを先に述べた投薬によって減らせたらと思います。
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当院の骨粗鬆症への関わり方(在宅診療NOW 2021年10月)
Dr.matubara 2021-10