前回、在宅看取り率について取り上げましたが、たまたま自分の愛読誌の文藝春秋にも同じようなテーマが書かれていて、今話題性のあるテーマだと改めて思いました。そこで、FM西東京の自分の番組でも取り上げました。
そのなかで用意した資料に、診療所医師における在宅緩和ケアの診療経験および担当可能な治療について235の医療機関に問い合わせをした調査がありました。
理事長 松原 清二
特に注目すべき項目に以下のものがありました。緩和医療における担当可能な治療(モルヒネの持続皮下注射、鎮静薬の持続皮下注射、皮下輸液、中心静脈栄養ポート管理、輸血、胸水腹水穿刺、経口麻薬の投与など)について自信を持って行える医療機関は10~26%という低い水準だというものです。この現実には、アシスタントのヒロコさんも驚いていました。
そこで改めて考えると、当院の在宅看取り率の高さはこれらの医療行為が行えているからだと推測されました。
当院では医師、看護師、臨床検査技師、診療アシスタントがさまざまな立場で動き、チームとしてワークしており、それがこの結果をもたらしているものと思われます。そのチーム力こそが当院の持ち味だと再認識しました。
在宅療養で全身の筋力が落ちる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)では在宅医療は必須となります。その患者さんに在宅医療がどう関わっているのか、また病気の進行に伴うご本人やご家族の気持ちについて動画を撮りました。特に動画の最後のコメントはALSの方の日頃を端的に述べています。
神経難病の方やそのご家族だけでなく、地域の方々が少しでもこの病気に関心を持ち、気持ちを分かり、共生する温かい地域に――そのまちづくりの一助になれば良いなと思います。
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緩和医療におけるチームワーク(在宅診療NOW 2023年9月)
緩和医療におけるチームワーク 在宅医療NOW タウン通信2023年9月分