先日夕方ぐらいから鼻水、くしゃみ、咳が出始めたので、新型コロナウイルスの抗原検査を行ったところ、陽性でした。
信じられない気持ちで検査キットへの光の当て方や角度を変えたりしてみましたが、陽性の結果は変わりません。現実を受け入れざるを得ませんでした。
夕方には熱が上がり出し、解熱剤を飲んでも下がらず、翌日には頭痛、全身のだるさ・・・。トイレまで歩くのもつらくなり、近くの内科を受診し、抗ウイルス薬を処方してもらいました。
その時に、検査結果に対する私の反応をお話ししたところ、とても面白がられたりもしました。
理事長 松原 清二
ともあれ、薬を飲むとだいぶ楽になりました。今回の件で、改めて、「コロナ」が5類になってから、自分自身の感染管理対策の脇が甘くなっていたことを感じました。
ただ、その一方で、当院は重症患者が多いため、「この機会に」と、オンライン診療に切り替えてもみました。当院スタッフがスマートフォンを持ち歩き、私にテレビ電話をして、診察をしたのです。
患者さんやご家族からの訴え、所見取りをするにはカメラワークなどである程度工夫が必要でしたが、何とかスタッフの援助の甲斐もあり無事にこなせました。
このように自分でやってみると、日頃の診療と比べて、長年の経験も影響するのか、診療上の物足りなさを感じたのも事実です。例えば患者さんの持つ空気感、言葉にはできない訴え、実際に触れたり聴いたりできないなど、診察上で医師の五感を働かせられないこと。また、診察後の世間話の中で、医師・患者さんともに「実はまだこんなことを話せていなかった」などと出て来る――いわゆる古典的な診察ができないことへのもどかしさも感じました。
もちろん、そうは言っても対面診療の代替手法として、今回はオンライン診療を選択せざるを得なかったのも事実です。診療スタイルも臨機応変に対応しなければいけないなあと思いました。
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オンライン診療(在宅診療NOW 2023年10月)
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