2024年4月6日、13日のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2024年4月のテーマは「病診連携について(3)」です。
病診連携について(3)
進行:田中ヒロコさん
回答者:松原清二 理事長
では、本日も松原先生どうぞよろしくお願いいたします。はい、今回も引き続き、病診連携についてお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。前回は急性期病院の先生と在宅医療の医者との考え方の解釈の違いと言うか、一人の患者さんに対しての見え方の違いというか、そういうことについてお話ししました。実は前回話したのはコロナ禍前だったんですけど、コロナを迎えてさらに人と会って話すこともできない中でこの前たまたまですね、急性期病院の先生とお話をする懇親会があったんですよ。
何人ぐらい来てたかな。多分、地域の先生も込みだと多分60人ぐらい来てたと思うんですけど。結構、僕は人見知りなんで・・・
え!そうなんですか。先生は人見知りなんですね。
むちゃくちゃ人見知りなんで、60人もいるところだとちょっときついなとか思ったんですけど(笑)
人見知りなんですけど、でも主治医の先生が患者さんを送っていくと、ちょっと難しい患者さんがいて、平たく言うと、とあるがんがあり、抗がん剤治療をしてすごく良くなった。すごく良くなるんだけれども、ただその抗癌剤治療があまり体力的に持たなくて、患者さんがもう嫌だと言って、それでお家に帰って、家に帰ったら手足動かなくなっちゃって、しばらく1週間から2週間したら、それでもう一回病院の方に送ったら、脳の方にね、中枢神経系の方に異常があったもんですから、そういったことに対して治療をしているっていう患者さんがいたんですよ。
ただ前回の話でね、その癌の方で、もともとその方は「もう抗がん剤治療はつらいからやりたくない。家でそっとしておいてほしい」って方で、でも結果的に症状が何らかしら出てきて、ご本人と相談して家で最後と言いながらも病院に行って調べたいっていう話しになり、病院に送ったと。で、向こうの先生としては家で最期、静かに看取るって話で何でだろうな?と思ったのので、その懇親会でその先生と話したくて。
実際に、その先生がいらっしゃったのですか。そうなんですね。
そうなんです。僕、その先生と仲いいのです。勝手に仲いいって思っているだけかもしれませんが・・・。
いえいえ、仲いいと思います!
それで会ってお話しさせてもらったんですけど、その先生にちょっと聞いたんですよ。「ちょっと、いろいろな大変な患者さんをご紹介して本当にありがとうございました」。という話しをして、でもしばらくしてから、どうしてもここの喉元まで出かけた質問をしたんです。
その先生に「いや、エンドステージっていう話でねでご本人も治療希望しないとだった。最後は家でやっぱりちょっと病院で治療希望してるって話して、その時に先生の心情っていうのはどういう心情でした?」と言う話をして、そしたら「いや、まあそれはもうしょうがないかなって、今回のケースでは思った」。だって抗癌剤治療はある程度効いてた訳なんだからね。
本人が希望すれば、それはもう病院としては受けるのは当然だしっていうような話をしてくれた時に、考え方が一緒で本当に嬉しかったなという。ちょっと心の中でほっとしたっていうのが一つと、あとは、うーん・・・さらに踏み込んだんですよ。
「先生、僕は実は搬送する時にかなり悩んだんですよ」って言って、先生と患者さんの間ではもうその家で最後っていう話だったじゃないですか。それを変えてしまうということで、先生はどう思ったんだろうっていう風に、僕ね、この会があるまで日々悶々としてたんですよって話をしたんですよ。
そしたら家はもう当然、このケースはもう是非送ってもらいたいと思っているし、それで全然も構わないですよっていう話をしてくれた時に、やっぱり、そういうような会話というか対話は、直接することが重要だなっていうのは感じました。
僕はね。他の病院でそういうような前回話したようなことがあったので、今回のケースも何か変に思われたらちょっと責任感のない医者っていう風に思われるのも嫌だなとか思って、まぁ、ぶっちゃけ聞いてみたっていう「先生ぶっちゃけ教えてください」って言ったんですけど、そしたら教えてくれて、すっごい心の中の何て言うかな・・・心の中の喉元にひっかかっていた骨がポロッって取れた感じで楽になりましたね。
先生は間違ってなかったことですよね。でも、その先生の立場でもその分野分野というか先生どうしてもやっぱりこう何か違うんですね。私たちからしたら、何か先生は一緒なのかなっていう風に思うんですけど、やっぱり自分が所属している病院だったりとか、ご自身で先生のように経営されてらっしゃるとか、そういう立場立場で何か違うんだなってその仕事が違う。でも、やっぱり先生の気持ちっはやっぱりおんなじなんですね。
うんうん。やっぱり、病診連携で一番重要なんじゃないですかね。やはり気持ちが同じということですよ。なんかはその気持ちがやっぱりすれ違ってると、連携はちょっと難しいというか。あぁ、今回の件は本当に何かこう僕ね、普段の懇親会とかへ行くと、最初に料理食べるんですよ。話しはしないで。
あ、人見知りだからですか(笑)
ですね。あと食べるのが好きだから、最初に食事行っちゃうんです。テレビの「孤独のグルメ」とか知ってます。あの主人公みたいに食べながら「お、この唐揚げは、ちょっとスパイシーでうまいなあ」とつぶやくのが、僕好きなんですけれども。
そういえば、今日のラジオも収録前にカップラーメンで呟いてましたよね(笑)。ちょっと辛いなとか、すごいびっくりしたとか、誰が話してんだろうと思ったら、先生が、カップラーメン食べながら(笑)
そんな感じです(笑)。自分を楽しむのが結構好きな人なんですけど、それでも、その時はもうその先生としゃべりたい一心で唐揚げ食べている場合じゃないなと思いました。
でも、今回は食事を我慢して良かったですね。
良かったですね。だからその日、余談ですけど、食べていないので家へ帰って妻にご飯作ってもらいました。
本当にもう久々の懇親会ということで、もう食事には行かず・・・。でも、奥さんとしては食べてきてもらいたかったですね(笑)
そうですね。帰りの車の中で、「ちょっと何かある?」とか言うと「あれ、食べてくると言わなかった?」、「うん、そうなんだけどさ、会話に珍しく夢中になっちゃって」
でも、本当にすごく良い機会ですよね。そういう懇親会があって、先生同士がそういう交流があるっていうのがとてもいいですね。
そうなんですよね。あと、やっぱり自分の場合、やはりどうしてもエンドステージの人を見なきゃいけない割合というのは多いわけで、そうすると、緩和医療もいろいろ勉強していくんですよ。そうすると、例えば、がんが頭に飛んでいたら、放射線治療がないかとか、まあそういうような患者さんに提案できるものも選択肢として知恵はあるから、やっぱりそういうのはできるだけ患者さんに提案していきたいというふうに思っているんですよね。
そうですよね。なんかもう先生が何だろう。その最初聞いた時はえー凄いぎくしゃくしてそういう連携しないといけないのかなと思ったけど、この今日お話聞いてすごい安心します。
本当、そうなんだよね。でもお医者さんも本当、そういうの日頃の悩みながらやっているところはあると思いますね。やっぱり。その立場の違いは、さっきヒコロさんがおっしゃってた「急性期病院の役割と、在宅医療の役割色々あり各々の言い分がある」。でも、患者さんはやっぱり1人だからね。
うん、そうですね。しかも、やっぱり急性期の病院に先生も、在宅の先生も両方ともやっぱり患者さんのことはすごい思ってくれるって、よね。先生はやっぱりすごいなって思いますよね。
1人の患者さんにすごい向き合ってくださってるし、すごく良かったです。今度の懇親会は、ぜひご飯も食べながら、奥さんに迷惑かけないで帰ってください(笑)
孤独のグルメをやらなきゃいいんですかね(笑)
最後は楽しいお話ありがとうございました。早いもので、お時間が近づいてきました。今日も松原先生にお話を伺いました。この番組は、エフエム西東京のホームページのラジオライブラリーから、いつでも好きな時に聴くことができます。ラジオ在宅NOWの次回の放送もぜひお聞きください。松原先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-external-link 「病診連携について(3)」2024年4月6日・13日(土)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2024年4月6日・13日(土)放送放送分 | FM西東京 84.2MHz