2025年1月4日・11日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2025年1月前半のテーマは12月から引き続き「在宅医療について」です。
前回に引き続き11月17日に谷戸公民館で行われた“にしにしnet.定例会議”内、松原先生の講演内容を抜粋してお送りします。お話は「患者さんの希望する医療機関の受診方法について」という内容に差し掛かっています。
在宅医療について(2)
進行:田中ヒロコさん 回答者:松原清二 理事長
そうですね。ちょっと今患者さん家族の意見もちょっと出そうと思ったんですけど、時間の関係もあるので割愛させてもらいます。患者さんの家族が言ってくれたのは、輸血で1週間に一回は病院に連れて行かなきゃいけなかったと。コロナの時、まずタクシーがつかまらない。そういった時に、30分車椅子で押してご家族がその患者さんを連れて行ったりもしていた。
非常に共倒れに近い状況だった。そこまでして看病しなきゃならないという中で、在宅医療が入ることによって、そういった家族負担がグッと減ったと。かなりその介護負担が強くてご家族ですね、ややうつぎみになって食欲もなかったんですけれども、在宅医療が入ることによってそういったことがなくなって気が晴れてきたということで非常に有用だったようなケースです。
患者さんではおさまらず、家族の方もすごくいつも感謝されてるなってイメージがすごくあるんですよ。この動画、YouTubeで見られますので、是非検索して見てみてください。結構私、好きなんですよね、先生の動画。
どうもありがとう。
病の最前線なんですけど、何故が心温まるというか先生が患者さんに対する接し方っていうのがすごく家族と一緒に見てる。っていうのがやっぱり在宅医療ならではの、すごくいいところだなって私はいつも感じてます。
そうですね。ご家族見ないとなりたたないですね。在宅医療はね。ですから先ほどちょっとお話ししたように、今回自院のデータをに出して自宅でほぼ90%以上の方は自宅で看取るというような結果ではあるんですけれども、ただそれはヒロコさんが今話してくれたように、はじめはホスピスがいいとか、はじめは病院がいいというような話も確かにされた方もいらっしゃるんですが、家で診療で関わることによって、自分でもできることも増えてきたしっていうような自信を持ってくれたり、もしくは我々に対して信頼を持ってくれて、結果的にそういうような形を迎えられたんじゃないかなというふうに思います。
在宅看取りっていうのはデータなんか出すとだいたい12%位。最近は2割ぐらいかもしれないんですけれども、とにかく低いのは事実で、在宅診療所が入るとそれが7割とか、それくらいにまで増えるとは言われてますので、これはやっぱりその在宅診療っていうのは、看取りっていう意味では、非常にご家族、ご本人には良い影響を与えているんじゃないかなというふうに思っています。
そうですよね。92%ってかなりのですよね。自宅で最期って希望は結構誰もが持ってたりとか、でも難しいかな、なんて思っている方は多いと思うんですけれども、やっぱりそれ不可能じゃないってことですよね。
そうですね。結局不可能じゃないようにするにはどうしたらいいかということなんですが、やはり大切なのはまめに患者さんの状態を見てまめに説明をすることだと思いますね。今どういうようなフェイズにその患者さんはいるのか、それに対してどういうような決断をするのか、やっぱりそういうのを日頃から考えていけば、在宅医療をいれながら最期まで迎えることは可能なんじゃないかなというふうに思います。
先生ありがとうございます。いつも先生、ちょっと家族の方とお茶したりとか、忙しい中でも先生結構声かけられることとか多いんじゃないですか。
それはありがたいですね。お茶一杯出してもらうと、ここのお茶楽しみなんだよな~とかいろいろありますよね。
お家に先生が来るってなかなかないですよね。昔の日本ってきっとたぶんそういうことがあったと思うんですよね。今ってそういう経験が家族もないし、本人もないしってことなんですけど、やっぱり何年か前のコロナが流行ったあたりからすごく在宅在宅在宅って言われてきて、自分が実際在宅診療ができるかどうかっていうのがすごく不安だったんですけど、先生のお話聞いていると、もう最後まで看取ってもらうことができるっていう安心感をすごく与えられます。
あとは在宅医療って基本的には外来と同じ扱いになりますので、それに応じた保険診療でやるという形になります。
ただ外来と比べるとどうしても割り高感が出てきます。なぜならやっぱり24時間体制するということが基本だと思います。自分を分かってくれる医療機関が24時間体制で接することで安心感を与えれれば、例えば動けないとか病気を多数抱えて自分は悪くなってしまう。そういったことを常に考えてしまうということから解放されたって患者さんも何人かいらっしゃっているので、とても在宅医療って患者さんの不安軽減にはいいんじゃないかなというふうに思います。
まだまだね、面会とかもできないっていう状況の病院もあるので、在宅だったらいつも家族そばにいられるとか。昔はね、ずっと家族付き添ってとかっていうのができたんですけど、本当にこれからどんどん需要が大きくなってきそうですね。皆さんもきっと今日お話聞いて、せっかくこの場一緒にいらっしゃるので、質問とかってある方いらっしゃいますか。
質問者の方
今日はとても為になるなるお話でとても参考になったんですけれども、在宅医療を受けたいと思った場合に、先生に来ていただければもうそれに越したことはないんですけれども、ニーズがたくさんあった場合に、他に例えば西東京市の場合、在宅医療をしてくれる先生とかクリニックがたくさんあって、受けたいと思ったニーズを応えていただける状態にあるのか、その辺のところはどうなんでしょうか。やっぱり自分が受けたいと思っても、先生の数が少なければ、受けられない可能性も多いのかなと思うので、その辺のところいかがでしょうか。
どうもありがとうございます。結構難しい質問なんですけど、僕が開業した9年前はですね、本当に在宅医療機関が僕含めて2つしかなかったんですね。人口、西東京市って20万でしたっけ?20万に対して2つしかなかった。だから結局ですね、西東京市外、三鷹市とか、練馬区とか、そういったところから在宅医療機関が来てたんですよね。
ところが最近になって、十数か所できて、結構行政の話でも市内の在宅医療機関でまかなえることが増えてきたというような話も伺ってますので、それなりには充足してきているんじゃないかな。というふうに思います。
ありがとうございます。せっかくなんで他になにかありますか?
質問者の方
高額っていうところが気になったんですけれども・・・こちらの方に金額が出ていて、だいたい1割の方とかが多いと思うんですけれど高齢の方。この月額標準負担額6,680円で見ていただけるんですか?
そうですね。一応在宅診療で24時間体制で対応しますよ。っていうのと、あとは訪問診療で最低月に2回っていう簡単なカテゴリーで言うと、それだけになってきます。あとはですね、上限額が皆さん決まってますよね。そうすると、そこまでそんなに高額にはなるってことは実際はないですよね。
そうですね。確かにね、限度額がありますもんね。でも気になるとこですよね。私もお金持ちのためのと思っちゃいました。お金持ちしか見てもらえないって思いますよね。私もこのラジオで参加するまでそう思ってました。
例えば在宅医療にかかる費用っていうスライドがあってですね、一般的に年金生活者の方っていわゆる一般カテゴリーに入ると思うんですけどいわゆる年収は156万から370万ということになって、そうすると、ひと月の上限額っていうのが一般的に1万8000円ということになります。ですから、例えば重症で、在宅酸素を導入したりいろんな検査をしたりしたとしても18000円以上行くことはないということになります。
確かに入院すると病床代・部屋代・食費っていうのはやっぱり別だったりするじゃないですか。そういった負担を考えると家だとベッド代とかはないっていうことですね。
入院と比べると圧倒的に医療費って多分一桁安くて、あと外来っていう観点で、複数の医療機関かかっていらっしゃる方がかかりつけの概念で僕が全部見たらはるかにこっちの方が安いっていう言い方はされてました。
確かにあっちの病院でも検査してこっちの病院でも検査してって、うちも母とかもそうなんですけどこれはあそこの病院。じゃあ、足は整形とか。糖尿病はまたここの病院と病ごとに行かなければいけないので、体力的も負担だったり。
そうですね。あと、医療費だけじゃなくて、介護タクシーとかね、人手の手配とかね、やっぱりそういったところで、ちょっと費用がいろんな意味で見えないところで、実は医療費以外のところでも手間暇かかってくるところがあるんじゃないかなというふうに思います。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-external-link 在宅医療について 2025年1月4日・11日(土)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2025年1月4日・11日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz