2023年3月4日、11日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2023年3月のテーマは「在宅医療における患者さんの要望にどのように応えるか!(1)」です。今回は(3月前半)のお話です。
在宅医療における患者さんの要望にどのように応えるか!(1)
本来だったらこのケースは入院だけど、患者さんの希望を押し通すことで在宅医療となることを、実例をあげてご紹介していこうと思います。
在宅医療の場合、内服薬での治療が多くなり、点滴がはいる場合においては入院のほうが良いと言うイメージをもたれている方が圧倒的に多いと思います。最近は下火になってきましたが、新型コロナが流行したことで「入院は絶対に嫌だ」と言う患者さんの強い希望で在宅医療を突き進めるケースがあります。
昨今だと、心臓の弁膜症をお持ちの患者さんが、新型コロナに感染してしまい酸素の状態もどんどん悪くなってしまうケースがありました。「そういった場合は、間違いなく入院ですよね」。
本来であればチームで診るべき疾患で、在宅医療での医師一人となると本来はなかなか難しい疾患です。さらにコロナ感染者となると医療従事者もかなり気を使います。
患者さんに「そろそろ入院しませんか?」と話しても「嫌よ!先生なんとかしてよ!」と言われてしまい「どうして?」と聞くと「昔、入院した総合病院では研修医の人が自分を診て、治療も痛かったし・・・」など言われてしまいます。
その後、その患者さんは回復して元気になったので「入院したくないと言うから頑張ったよ」と患者さんに話すと「あれ?私そんなこと言ったっけ」と返答されます。これは本来なら入院ですが、患者さんの希望を聞き在宅医療での一例となります。
医師として、患者さんがしたってくれてると言う嬉しさもあれば、大変だなと思う感覚もあります。
結局、在宅医療を受けている患者さんと言うのは入院嫌いが根底にあります。ですので、そういったことに答えるのが在宅医療だと思います。
先日も重症心不全の患者さんで、ベットに寝ていることも困難なので「入院しますか?」と聞くと「絶対嫌だ!」と言います。嫌な原因を考えて見ると、入院することで自由の束縛や気をつかうこと、自分の住みなれていないスペースで暮らすのが嫌なのではないかと思います。
結局、その方の場合は介護者である家族にこれ以上迷惑をかけたくないと言う理由で「入院することにします」。となりました。家で生活すると言うことは、家族と言う共同体で生活しますので、その中の誰かに迷惑をかけてしまうことを考える事で入院を選ばれる方もいらっしゃいます。また次週も続きをお話ししますね。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-headphones 詳しくは下記のリンクよりご聴取ください。
icon-external-link 「在宅医療における患者さんの要望にどのように応えるか!(1)」2023年3月(前半)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2023年3月4日、11日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz