2023年10月7日、14日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2023年10月のテーマは9月から引き続き「多い?少ない? 在宅看取り率について(3)」です。
多い?少ない? 在宅看取り率について(3)
前回、まつばらホームクリニックでの在宅の看取り率が94%と言う高い数字になっていることをお伝えしました。前回は患者様の人生に伴走するお話しをしましたが、医療従事者として何をすることが重要かも考えなくてはいけないと思っております。
例えば、患者さん宅へまわるだけなら、医師であったり看護師、ヘルパーさんなど誰かがその家に行くことはできるのですが、そこから重要なのは「何をする存在なのか」です。
在宅医療は病院と違って医療資源が限られているのは事実ですが、医師としてやるべきことをやれば、患者さんへも安心を与えられるし、治療をすれば医療緩和にもつながります。
基本的に在宅医療の患者さんには以下のように分かれるケースがあります。
- 普通の診察はしてほしいけど、それ以上の検査はしてほしくない
- とことん検査も治療もしてほしい
この点は患者さんのニーズにあわせて診療するのがベストだと思います。
インフォームド・コンセントとは
医師が患者さんの病状の説明をしっかりして、それにあわせて治療戦略により、こういった検査をしてこういう治療をしていきましょう。を伝えることでリスクとベネフィットをお話しして、その中で患者さんに選択権をあたえ、患者さんの合意のもと医療を推進していくことです。
しかし、在宅医療の勤務医時代に感じていたことは「患者さん側の選べる選択肢が少ないこと」そこに疑問を持ち、現在やり始めたのが今の私のスタイルになっています。ですので当院は他の在宅医に比べれれば、かなり選択肢は多いとは思います。
ことわざに百聞は一見に如かずと言う言葉があるように、医学的な難しい言葉を並べるよりも、実際の検査で目で見て納得されるほうが患者さんにとっても安心につながると思います。
患者さんが治療選択肢が狭まれた中で苦しい選択をしていただくよりも、できるだけ多くの選択肢を提供することで、在宅の看取りはできると思うのです。
実際問題、在宅医療の医師は旗振り役なので、その役を支えてくれる人たちも大切です。院内にもそういう人はいなくてはならないし、院外でも訪問看護ステーションなども増えていかなくてはならないと思います。
チームとして大切なのは冗談を言い合う中ではなく、彼に任せたら安心と言った信頼関係を仕事を通じて作っていかないと難しいのではと思います。
医者は医者としてとるべき行動があるし、看護師には看護師としてとるべき行動があり、ヘルパーにもヘルパーとしてとるべき行動があります。その役割としてしっかりした行動をとっていかないとお互いの信頼は得られないですし、逆にそれが築きあえれば強いチームにもなります。
将来、医師である私も高齢となった際に、家で看取られることができるか不安がよぎることもあります。結局、信頼を醸成していかないとダメだと思います。その中でお互いに「頑張る」と言う言葉がでれば私はそれで良いと思うのです。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-external-link 「多い?少ない? 在宅看取り率について(3)」2023年10月(前半)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2023年10月7日、14日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz