6月以降、西東京市も急ピッチで新型コロナウイルスワクチンを打っています。4月ごろには、私の頭の中では、1日6人、患者さん宅で打っていけば、3週間で120人の全患者さんをカバーできる、と思っていました。
ただ、よく考えると、注射後の観察が15分から30分となると、通常業務に加え90分から180分も時間がかかることになります。仕事が夜の12時過ぎまで終わらない恐れさえあります。これはマズいと思い、数人の在宅医療の仲間にやり方を聞いてみたところ、在宅では対応できないという結論でした。
理事長 松原 清二
とはいえ、多くの患者さんはワクチンを希望されています。何とかならないかと考え、ワクチン接種の時だけは、1日4人ほど外来に来てもらうことを計画しました。加えて、1日2人まで、人工呼吸器の使用者や、身体が固まって動けないような人にはご自宅で注射をすることを考えました。
そこで患者さんにアナウンスしたところ、3分の2の患者さんは、外来でのワクチン接種に協力してくれました。ただ私も経験のないワクチンなので、外来で接種したその日のうちに、訪問か電話で副反応が出ていないかを確認するようにしています。
今のところは、大きなトラブルもなく安心しています。報道ではワクチン接種の進んだイスラエルなどでは、マスクもせずに外食できるなど、少しずつ希望の光がさすような効果も出ています。日本も、早く安心した日常が送れるように、今後に期待したいところです。
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在宅医療での「コロナ」ワクチン (在宅診療NOW 2021年7月)
Dr.matubara 2021-7