在宅医療では独居の方が多数いらっしゃいます。身寄りが近くにいる方もいれば、遠い方もいます。独りでいることに不安になり、その不安に負けてしまいそうな方もいらっしゃいます。
そんな時には診察時に知り合ったお身内の話をして、出来るだけご家族とビデオ通話でお互い顔を見ながら、コミュニケーションを取ることを促したりしています。
理事長 松原 清二
料理好きな患者さんには、私もコロナ禍で料理をするようになったので、スマートフォンに撮りためている写真をお見せして、料理談義をしたりして、気持ちが和むようにアプローチしています。
こういった孤独による寂しさや不安の解決策には薬物治療を補助的手段として使う場合もありますが、基本は対話や経験の共有によるコミュニケーションです。従って、患者さんに寄り添ってコミュニケーションを取れることは、在宅関係に関わる全ての職種の方に必要なスキルと思います。
そのスキルを介した上で、少しずついろいろな面から、その人を知り、共有し、患者さん全体を理解する。それが実現できたとき、患者さんにとって、地域医療や介護がより豊かで実りあるものになっているのではないかと思います。