明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて最近ですが、患者さんで転んで頭をぶつけて出血したり、背中をぶつけて動けなくなったりと、ご家族が救急車を要請されたり、当院に緊急対応を求められたりするケースが増えてきました。
実際在宅診療で診ている患者さんの多くは、年齢や高血圧、糖尿病、心不全などにより脳梗塞が発症する危険が高いので、血液をサラサラにする薬剤を飲んでおり(抗凝固療法など)、出血がひどくなる可能性はあります。
理事長 松原 清二
また、骨量も少なく骨粗鬆(そしょう)症の方も多く、転倒に伴い背骨の圧迫骨折や大腿骨頚部骨折などが発症し、寝たきりになってしまう方も多数いらっしゃいます。
当院としては、出血がひどい場合は抗凝固療法に対する中和剤の投与や創部の縫合などの処置、また、しばらくは抗凝固療法の中止の指導を行ったりしています。骨折の評価については、在宅でレントゲン評価を行い、骨折を確認し、痛み管理や骨粗鬆症に対しては骨粗鬆症の治療を行います。
ただし、何よりも大切なことは日頃どれくらいこういったリスクがあるのかの評価対策をしておくことです。
ご自宅で転倒のリスクが高いのであれば、ケアマネジャーとの在宅での転倒リスクの評価や、つかまり立ちなどができるように福祉用具を準備するなどの室内調整、また、骨粗鬆症がないか、あらかじめ在宅での超音波による骨密度の評価を行うこともお勧めです。
当院では、骨粗鬆症があれば状態に合わせた治療を行い、ご自宅で安心した生活を送れるように医療を提供しています。
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日頃の評価対策(在宅診療NOW 2023年1月)
日頃の評価対策(在宅診療 まつばらホームクリニック タウン通信2023年1月号)