認知症治療の新しい幕明け(在宅診療NOW 2024年1月)

認知症治療の新しい幕明け(在宅診療NOW 2024年1月)

今年もよろしくお願いします。当院ではご年配の患者さんが多いのですが、お宅を回っていると、介護をしている方も60歳を越えているケースによく出会います。

そうした状況のなかで、服薬介助をされていたご家族がサポートを継続できなくなったり、ご家族に診察予約日時をお伝えしても何回も忘れられてしまい、残念ながら訪問診療が中止になってしまうことが出てきました。

こういった、今までできていたことができなくなったり、新しいことを覚えられないケースでは、軽度認知機能障害や認知症を疑う場合があります。

まつばらホームクリニック院長 松原清二
理事長 松原 清二

認知症ではアルツハイマー型認知症が一番多いのですが、その原因は、アミロイドβというタンパク質が脳の神経細胞にキズを付けてしまい脳の萎縮が進むことによる、といわれています。

そこで、「アミロイドβを除去すれば認知症の進行予防に役立つのではないか」との発想のもとで開発されたのが、昨年保険承認されたレカネマブという薬剤です。報告では、病気の進行速度を27%緩やかにする効果や、18カ月間の治験による推計では進行を7・5カ月遅らせる効果の見込みがあるとのことです。

基本の治療対象者は軽度のアルツハイマー型認知症、軽度認知機能障害で、進行した認知症は対象外になります。

実際には、早期アルツハイマー型認知症と推定される人は500万人、レカネマブの投与対象はピーク時でも年間3万人程度といわれており、対象者が意外に少ない印象もありますが、こういった薬剤が開発されたということは、人類が認知症に立ち向かっていける大きな一歩になると言えるでしょう。

まだ診療所で使うには脳出血などの副作用や薬剤の費用面、施設基準などの面で時期尚早ですが、日頃の患者さん、ご家族に認知機能の面で〈少しいつもと違うな〉と感じたら、早めの認知症検査に取り組み、レカネマブの適応を考えてみたいと思っています。そして、病診連携を介して治療介入ができたなら、患者さん、ご家族がなるだけ長い期間自分のことは自分でできる、自立した人生を送れるための、有意義な医療支援になるはずと考えています。

認知症の母を一人で支える~在宅診療NOW

ユーチューブ動画で、進行した認知症のお母さんを一人で支えているご家族と対談しました。認知症の介護に悩む方にぜひ見てもらいたいと思います。

タウン通信 まつばらホームクリニック

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