2024年5月18日、25日のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2024年5月のテーマは「骨粗鬆症について(2)」です。
骨粗鬆症について(2)
進行:田中ヒロコさん 回答者:松原清二 理事長
前回に引き続き、「骨粗鬆症」についてですね。
前回、骨折っていうのは若い人と違って、生命に関わる怖い病気なんだよっていうことと、介護負担が間違いなく生じる病気なんだよってことなので、それに対してですね、やっぱり国民的に戦略的にしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかなというふうには思います。とはいえ、在宅診療で具体的にどのようなことかっていうのを今回お話ししたいなというふうに思います。
在宅診療で、まず基本は診断だということになってくるんですけれど、皆さんがイメージしているのは、例えば病院とか行ってレントゲンとかで骨密度を測るような検査とか、あとは前ヒロコさんが足をパカッと乗っけて、超音波で測るような検査とか、そういうような検査があります。
実は骨粗鬆症の診断っていうのは、もうちょっと菅便にできてるところがあって、ご年配の人が簡単なこと、例えば立ってる状態からストンと転んでしまって、それで背骨の骨が折れてしまうとか、足の骨が折れてしまうということに関しては、それはもう脆弱性骨折と言って、非常に骨が脆い状態での骨折ですよっていうのを意味してるんですけど、その場合はもう骨粗鬆症であるというシグナルになります。
なので、いろいろ細かな検査をするわけではなくても、その症状があってレントゲンでそれが確認されたら骨粗鬆症ということになります。あとはそれ以外には例えば、この前検査したような検査で若い人と比べてみて骨密度が、だいたい 7 割以下の方ですね、それは骨粗鬆症という風に言います。
これを言うと、結構若い人と比べて何の意味があるのよとか言われることもあるんですけれども、これは定義なんで、僕も何も言えないですよね(笑)。 まあ、それ言われると、結構苦しい時があるんですけど。
若い人はやっぱり骨密度はもちろん高いですよね。高齢になると個人差が急激に出てくる感じなんですか?
例えばその家族歴があるとか、あと女性とか、あとはお薬でステロイドってお薬を飲んでるような方とか、そういう人はやっぱり出やすいと思います。
私の母も乳がんやって、ホルモンの薬を飲むと、骨密度が低くなるから気を付けてくださいと先生に言われたんですけど。でも薬によったらそれで影響がありますよね。
ありますね。例えば基本的に閉経って女性ホルモン出てこなくなることを指すじゃないですか。 やっぱりその女性ホルモン、さらに抑え込むようなお薬を使用することによって、骨粗鬆症を加速するとかを、そういうことあると思いますね。
出ないようにすることによって、骨にも影響するんですね。
しますね。あと、意外に多いのが、呼吸器疾患の方、呼吸器疾患の方は骨粗鬆症の方が多いです。
それは、なんでですか?
もともと呼吸に使うカロリーっていうのが1日30kgカロリーぐらいという風に言われてるんですけど、ただやっぱり肺気腫って言ってその肺が、ゆるゆるの風船みたいにボヨボヨしちゃう。要は効率的に吸ってはいてっていうのができなくて、そういうのはできるけど、吐き出せないような病気だと口をすぼめてっスースーっていう風にやるんですよ。
そうすると必要以上に筋肉を使うんです。その時にカロリーが必要なのが1日に300kcalって言われてんですね。そうすると必要なカロリーの我々が30でやるところ300でやってるから、そのエネルギーの消費効率が悪いです。そうすると筋肉がどんどん痩せ細ってくるんです。エネルギー補給、それにつられて骨も脆くなってくるんですね。
じゃあ、自分がそういった持病があったりすると、自分自身で注意することができるということですか?
そうだね。だから、そういう病気があるっていうことは、自分が骨粗鬆症のリスクはあるっていうことは自認できると思いますね。
うちも言われただけで「あ、そうなんだ 」って思うだけで、何をすればいいか分からなくて、結構、牛乳とか煮干しとか食べてるんですけど・・・。
いいと思います。基本はそれでいいと思うんですよね。要は日頃の食生活と運動が重要です。運動なんですけど、あんまりはっきりしたエビデンスっていうのがないとも言われてるんですけど、長距離歩行といった運動もそうだし、それがいいっていう論文もあれば、そうでもないっていうのもあったり。
ただバトミントンみたいに踏ん張るような運動の方がいいって言われてたり、様々なんですけど、何にしても言えるのは骨にある程度加重をかけた方がいいんじゃないかな?
寝ているだけじゃダメなんですね。
荷重負担をかけた方がいい。実は、患者さんの家を回ってると、たまたまなんですけど、ちょっと話それるんですけど、娘の大学の合格祝いでその整形外科医の叔父と会ったんですよ。
おめでとうございます!
ありがとうございます。
良かったですね!先生!
良かったです!あれからもうピリピリした感じから解放されて声かけられるようになりましたけど(笑)
家族の会話も増えましたね。
今までは怖いから距離とってると、何で話しかけないの?って言われて、で話しかけるとあっち行ってって言われて。こりゃ大変だなって(笑)
でも、どこの家庭もそうだと思います。
娘の合格祝いを伯父がやってくれたんですけど、その時に叔父と骨粗鬆症の話しをした時に、結構患者さんで、検診もやってて治療もやってるんだけど、それでいいのかな?っていう話をしてたら、叔父が「いや、それじゃ足りない」っていう話をしてて、彼が言うには基本的にやっぱり運動負荷をかけないと意味がないと。
運動負荷っていうのは、じゃあどういうのやるの?っていう話になって、その時に叔父が言うにはダイナミックフラミンゴ療法っていうのがあって、それだけ言うと仰々しいんですけど・・・。
ダイナミックフラミンゴ療法・・・。
さっき他のスタッフにお見せしたんですけど、立ってちょっとどっちの足でもいいので片足を10cmぐらい上げるんです。これを約1分。時間計ってますか?
今、どのくらい上げてから経ったんでしょう?
お年寄りの方の場合、重要なのは転んだら大変なので、テーブルに片手ついてもいい。
先生!なんかもう震えが来てますけど・・・。
結構来るよね。お年寄りにこれを求めるのは危ないので、手をついて大丈夫なようにしておく。
はい!1分です!
これを、交互でやるんですよ。片方にかかる股関節への負荷っていうのが、実は53分間の歩行と同等だって言うんですよ。
今、1分やっただけで、そんなに私歩いたんですか?
負荷がね。筋肉に対してじゃなくて、股関節に対する負荷として53分。
えー!
驚きでしょ?なので、叔父の場合はリウマチ専門でやってるもんだから、ステロイドってお薬を患者さんにたくさん出してるんですよ。そうすると、ダイナミックフラミンゴ療法をやったら53分の価値があるから続けなさいと言って、みんなに続けてもらってるって言ってて。
僕も患者さんの家に行って、最近やるようにしたんですよ。そしたらですね、 1件目はいいんですよ。でも2件3件4件でやっていくじゃないですか、4件目になってくると、ちょっと痛くなって来るんですよ(笑)自分の股関節がね・・・。
あ、先生が教えるから!
そうそう! 結構負荷かかるんだなーって改めて思ったんですよね。
4回やったらかなりの負荷がかかる。
1日3回って結構負荷かかりますよ。
そうですよね。じゃあこの動きを毎日やっていけば、自分の中で骨がちょっと強くなる感じですかね?
やっぱり骨って構造物だから、ある程度負荷かけとかないと。
でもなんか気が楽になりました。なんか負荷かけないといけないとなると、やっぱりお日様のもとで何か運動を始めて汗をかいて必死にやらないといけないっていうイメージがあるんですよ。
だけど、今先生教えてもらった1分間足を上げるだけ。片方ずつだったら誰にでもできるんだなって、安心感が。
でも、半分合ってて、半分守ってて欲しいなって思うのが、何かっていうと、日の光浴びてほしいですよね、やっぱりビタミンD活性化って意味でもね。
それ、重要ですよね。
女性なので、日焼けとか気にされると思いますけど、浴びてください!日焼け止めたっぷり塗ってね。
やっぱりそれも大切なんですね。
大切です!
はい、わかりました。じゃあもう日々精進します。
日常でできる骨粗鬆症の対策として、今回お話しさせてもらいました。
ありがとうございます!
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-external-linkダイナミックフラミンゴ療法のやり方はこちら
icon-external-link 「骨粗鬆症について(2)」2024年5月18日・25日(土)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2024年5月18日・25日(土)放送放送分 | FM西東京 84.2MHz