先日日頃診ている女性患者さんが、ふっと意識がなくなることが多く、入浴している最中に意識が抜けそうになる時に、冷や水を顔にバシャとかけて意識を覚醒させているとお話をされていました。
そこで24時間心電図を行ったところ、4秒以上心臓が止まっていることが確認し、原因は脈が遅いため、機械で心臓の脈打ちを補助するペースメーカー植え込み術を地域の基幹病院に依頼し、入れてもらって帰って来られました。この方は、今は症状もなく、地域の体操教室で体操も出来るまで回復されました。
理事長 松原 清二
この徐脈の原因は加齢に伴うものが多く、失神や脈が遅く、息切れやむくみなど心不全などの症状が出た場合にはペースメーカー植え込み術の適応になります。最近は高齢化社会になり、ペースメーカー植え込み術後の定期的管理を行うことが増えてきました。
機種によりますが、ご自宅でペースメーカーの業者に立ち会ってもらったり、我々がハンディサイズのペースメーカーチェックの機械を使って、電池寿命、ペースメーカーリードの断線、不整脈の確認を行い、設定変更を行っています。
ペースメーカー植え込み後も継続してご自宅で安心して生活出来るように我々は努めています。
追伸
令和5年5月で西東京市で在宅診療を始めてからまる8年経ちました。これまで在宅診療で出来ることを我々なりに模索してきました。一方で在宅診療を受けながら、患者さん自身が感じている気づきや課題ということも日頃の診療の会話の中で感じることも増えてきました。
そこで患者さん目線の在宅療養について動画で話してもらうことに協力してもらいました。今回の方はがんの末期状態から奇跡的な復活をし、その後の生活や心の移ろいについて、話してもらいました。ご興味のある方はご覧になってください。
PDF版でご覧いただく方はこちら
ペースメーカー(在宅診療NOW 2023年6月)
ペースメーカー(在宅診療NOW 2023年6月)