2023年6月3日、10日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2023年6月のテーマは「健康の社会的決定要因について(3)」です。5月から引き続き同じテーマとなります。
健康の社会的決定要因について(3)
まず、かんたんに健康の社会的決定要因についてご説明すると、病気の原因は、体の内側から来るものだけではなく、環境要因も関係していると言うことです。その中で「在宅医療はどういったことができるか?」をお伝えいたします。
例えば、通常のい病院なら「はい、では●週分のお薬をだしておきますね。次回は●月●日頃にご予約ください」。こんな感じですね。私は病院での勤務医時代「あれ、どうしてこの人、薬を処方しているのにコレステロール値がまったく下がっていないのだろう?薬飲んでいないのかな?」など疑問を持つことがありますが、そこで考察は終わります。
在宅医療の場合は、患者さんがきちんと薬を飲めているかの確認をすることができます。また、経済的な問題でどうしても高い薬の処方ができない患者さんの場合は、処方の引き算をしていかなくてはなりません。
長い目で見たら、研究でのエビデンスではよくても、その患者さんにはよくないんじゃないかと言うこともあります。その人の多様性に今後は関わっていかなくてはいけないことです。そこが、在宅医療でできるのではないかと思います。
在宅医療をしていて難しいと思う点も二つあります。在宅から病院へ移る際に、私(在宅医)から病院の医師に「患者さんはこういう生活環境だから、こういう治療をしてほしい」と手紙を書くこともありますが、それがすべて反映される訳ではありません。
また、患者さんにとって、病院からどうしても必要な薬がある場合、こちらも当然それを理解していますので、患者さんがその薬を飲むことを嫌がっても根気強く説明をします。ですが二度、三度を断られ続けるとこちらも根負けしてしまうことがあります。そんな時、自分の人間力の無さを痛感してしまい、歯がゆさも感じることもあります。
在宅診療は、本来、2週間に1度の診察が良いと言われていますが「孤独・孤立」の生活をされている患者さんにたいしては実際はそうではありません。次回はその辺ののことについてお話しをしたいと思います。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
詳しくは下記
きない患者さんの場合、処方の引き算と言うものを考えていかなければいけません。心不全の患者さんでも、良い治療薬がでているのですがのリンクよりご聴取ください。
icon-external-link 「健康の社会的決定要因について(3)」2023年6月(前半)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2023年6月3日、10日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz