西東京市では、患者さんがご自宅で円滑に療養やご家族が介護できるように、いろいろな工夫がされています。ご自宅の療養で問題になるのは、ご家族の介護疲れです。私が関わっている患者さんは、ご自宅で酸素を吸っていたり、重篤ながんの患者さんであったりと、介護施設での一時的な預かりが困難な方々が主です。
このような医療的なかかわりが多い患者さんに対して西東京市では、医師会が主体となって、患者さんを入院にてお預かりする「後方支援事業」の制度を設けています。
西東京市の後方支援事業
具体的には、
- 介護者であるご家族が急に入院することになり、在宅療養の継続が困難なケース
- 痰の吸引など医療的な介護が頻繁で、ご家族中心の在宅介護が困難なケース
などで、この制度が利用できます。
2025年には団塊の世代の方が75歳以上になり、未會層の高齢化社会に突入します。それ以前に、西東京市の職員の方々は、「とにかく、みんなに温かいまちをつくりたい」と言う気持ちで、市民と在宅医療の架け橋になるように頑張っています。例えば、在宅医療を円滑に利用できるようにする「(仮称)在宅療養支援窓口」を市に設ける取組みも始まっています。
個人的には、自宅に医療を持ち込むことによって、足腰の悪いなどで病院の診察が受けられない方々や、退院後の自宅での生活が心配な入院患者さんが、もっと気軽に「訪問診療」を利用できるようになればいいなと思っております。
まつばらホームクリニック理事長
松原清二