高齢者の栄養補助のあり方(在宅診療NOW 2025年6月)

高齢者の栄養補助のあり方(在宅診療NOW 2025年6月)

「先生、お母さん、全然食べられなくなったんだけど、これくらいなら大丈夫という量とか教えてくれませんか?」という相談がときにあります。

こういった患者さんは老衰や病気の終末期に当たる方が割合に多いです。こういった方の必要カロリー量は1500キロカロリー前後/日になることが多いのですが、体が痩せ細り、物を噛み、物の飲み込みが落ちている方に勧めるのは、患者さん負担が強いのかなと日頃思っています。

実際に患者さん、ご家族からの話では、「鰻を一切れならば何とか…」「バニラアイススプーン一口なら何とか…」という感じで、つまり味の濃い食品を少量好み、それ以上は難しいことが経験的に分かっていました。

まつばらホームクリニック院長 松原清二
理事長 松原 清二

ただ、それだけでは足りないので、私のほうから、高カロリーの栄養剤を処方したり、または患者さんの好きな物を食べさせてあげてくださいと助言をすることがままあるような状況で、何か他に良い方法はないかなと思っていました。

そんななか、ある大学病院の研究会でがん末期の方での栄養療法の講演がありました。そこでは患者さんにカステラを提供したり、さらにカロリーを上げる目的ではカステラを牛乳に浸したりして、飲み込みもしやすくしたりと工夫していると話がありました。

そこで(なるほど、こういう方法もあるんだな)と思いました。カステラは一切れ150キロカロリーとカロリーもまずまずですし、牛乳には脂質が入っていて浸せば飲み込みもしやすくなる。日常食品の組み合わせの工夫で、患者さんの食に介入できる機会は生まれるんだなと改めて思いました。

昨今は在宅での栄養士による栄養指導の介入やスマートフォンのアプリでのカロリー計算もできるようになっています。

こういったテクノロジーや他職種とも上手に協働していくことももちろん大切ですが、日頃の患者さんの食事に携わる人が関心を強く持てば、たくさんの知恵が出るのではないかと思います。

タウン通信 まつばらホームクリニック

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