医療費と在宅医療(在宅診療NOW 2025年10月)

医療費と在宅医療(在宅診療NOW 2025年10月)

先日、榊原記念病院からの病院紹介文の中に「心不全治療では、医療費は平均一入院100万円かかる」という記事がありました。それと比べると在宅診療ではせいぜい10万円前後と、費用が一桁変わってきます。

入院をすれば、頻回の検査や複数の薬剤を使用した点滴治療、場合によっては心臓カテーテル検査や治療、さらに24時間モニタリングもし、病院では当直医がいて、看護師もナースコールを呼べばすぐに来るといった、重症患者さんに対しても手厚い治療ができるからと説明ができます

一方、私が在宅医療を始めたのは、病院勤務医のときに出会った認知症の高齢女性がきっかけです。何度も心不全が増悪し、入院のたびに、手をパチパチ一晩中叩き、付き添いの温和な息子さんの心が乱れてしまう……。これならば入院よりは在宅で診療をしたら良いのでは、と思ったのが始まりでした。

まつばらホームクリニック院長 松原清二
理事長 松原 清二

高齢になるほど、自宅から入院という環境の変化の負担は大きく、認知症発症や自分が自分でいられなくなるといったせん妄発症のリスクが高くなります。高齢の方は、入院での体の問題だけではなく、心の問題や、足の筋力の低下が進んで自宅に戻るのが大きなハードルになるということが起こり得ます。

それであれば、自宅で早めに異常を発見し、治療をしたほうが、患者さん自身の体、心への負担は減り、自宅にいられる期間が長くなることで、結果、医療費が膨れ上がることに対しての抑制にもなります。

昨今、日本の医療保険制度は持続できるのか、財務上懸念されています。約1割は患者負担、4割は税収や公債、5割は保険料で賄われており、いかに税収や保険料を上げ、医療費を下げるか、政治で議論されています。

これから超高齢社会が進み、残念ながら病気になる方々も増えていきます。また外来通院も困難になり、我慢した結果、悪化して即入院になってしまう方も増えることが予想されます。

在宅医療は、病気の早期発見や治療ができ、さらに医療費を減らすことができるという、現状の医療保険の持続可能性を高めてくれる可能性を秘めています。当院は患者さんにも優しく、国の歳出にも優しい在宅医療を今後も頑張っていきたいと思います

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