2024年1月20日、27日(土)のラジオ在宅NOWの放送のご案内です。
2024年1月のテーマは「認知症対策について(2)」後半です。
認知症対策について(2)
今回は、ご家族の方で認知症のある方にはどういっった問診をしているかについてお話ししたいと思います。一般的に認知症の検査では、
- 長谷川式認知症スケール
- ミニメンタルステート検査
が、比較的に簡易検査でやりやすいと言われています。
所要時間は5分程度ですので、往診でもやりやすい検査になります。検査項目は時間や場所のこと、すぐ言ったことを思い出せるか、計算、これは何ですか、これはできますかなどの項目があります。
では、今回はこの検査ををひろこさん(ラジオの進行)にご協力いただたいと思います。
- 今日は何日ですか?
- 今日は令和何年ですか?
- 今の季節は何ですか?
- 今日は何曜日ですか?
- ここは都道府県で言うとなんですか?
- ここは自宅ですか?
- 病院ですか?
- ここは何階ですか?
- ここは何地方ですか?
- 次はこの言葉を言いますので繰り返し言ってください。「さくら、猫、電車」
- 100から順番に7を引いて答えてください(100-7)
- 93-7は?
- 86-7は?
- 79-7は?
- 72-7は?
- さっき言った3つの言葉を言ってください。
- これ(時計を見せて)は何ですか?
- これは(ボールペンを見せて)は何ですか?
- この言葉を繰り返してください。「みんなで力をあわせて綱を引きます。」
- 今から私を言う通りにしてください。「右手にこの紙を持ってください。」
- 上の紙を「これを半分に折りたたんでください。」
- 文章を書きますので、その文章を読んでその通りにしてください。
- 次はこの紙に何か文章を書いてください。何でも良いです。
- 私が紙に図形を書きますので、その通りに模写をしてください。
はい、これで終了です。
このテストを昨日、実際の認知症の患者さんにしました。すると「なんだこれは?物忘れの検査なのか?」と怒り出してしまい続けることができませんでした。テストとなると圧迫的に感じてしまう方もいらっしゃいますので難しい部分でもあります。
ミニメンタルステート検査の項目は?
MMSEは時間の見当識、場所の見当識、3単語の即時再生と遅延再生、計算、物品呼称、文章復唱、3段階の口頭命令、書字命令、文章書字、図形模写の計11項目から構成される30点満点の認知機能検査である。
ミニメンタルステート検査では、27点以下で軽度認知症の疑い、23点以下の場合は認知症の疑いとなります。28点以上は問題なしになります。
この検査の項目はいろいろ意味がありまして、ひころさんがミスをした16(さっき言った3つの言葉)は遅延再生と言いまして、物忘れの中でも特に起こりやすいものです。
アルツハイマー型認知症と呼ばれているタイプで、ここが一番障害になるケースです。但し、ひろこさんの場合、点数は問題なしで疲れ等もありますのでご安心ください。
(音声でお聞きになる方は下記のラジオを聴取ください)
icon-external-link 「認知症対策について(2)」2024年1月(後半)の放送
icon-external-link『ラジオ在宅NOW』FM西東京 ラジオライブラリー
この番組は、当院の院長 松原清二が日頃医療の現場で感じることを話し、在宅医療に対しての理解をより深めて頂く番組となります。第一週と第三週に本放送、その他の週は再放送をお送りします。
icon-microphone 放送日
2024年1月20日・27日(土)放送分 | FM西東京 84.2MHz