誤嚥と肺炎球菌 ワクチン接種について(在宅診療NOW 2026年6月)

誤嚥と肺炎球菌 ワクチン接種について(在宅診療NOW 2026年6月)

「最近、痰がうまく切れないのよ」とおっしゃる方がいます。よくよく話を聞くと、食事している最中や食後にむせ、その後に痰や咳が出るとのことでした。

こういった方は食べるのが速すぎたり、飲み込む能力が落ちてしまい、誤嚥、肺炎につながることがあります。肺炎は日本人の死因で5番目に当たる疾患で、高齢になるにつれて誤嚥のリスクは高くなり、罹患する可能性も高くなります。

特に60歳以上の肺炎では誤嚥性肺炎は6割、70歳以上の肺炎では8割が誤嚥によるものといわれています。

まつばらホームクリニック院長 松原清二
理事長 松原 清二

口の中には肺炎球菌が常在菌としていて、これが原因菌となります。対応としては、日頃から口の中を歯ブラシやうがいをしてきれいにする、食事はよく噛んで食べる、食後はしばらくは横にならないなど挙げられますが、肺炎予防に肺炎球菌ワクチンが有効であることもよく知られています。

これまでは5年ごとにニューモバックスNPワクチンを摂取することが推奨されていましたが、肺炎球菌による肺炎で従来のニューモバックスNPワクチンでカバーしている血清型とは異なる型が原因として出ていることが問題として挙げられ、またニューモバックスワクチン自体は液性免疫の関係で効果が5年程度ということから、免疫応答の長い、具体的には一生に一回のプレベナーもしくはキャップバックスワクチンを打つことが推奨されるようになりました。

以上を踏まえて、日頃の診察でむせや持続的な咳の出る方、また免疫能力の落ちている方、心疾患のある方など肺炎が重篤化しやすい方には、積極的にキャップバックスやプレベナーなどの肺炎球菌ワクチンを推奨していきたいと思います。

タウン通信 まつばらホームクリニック

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