大動脈弁狭窄症について(在宅診療NOW 2026年4月)

大動脈弁狭窄症について(在宅診療NOW 2026年4月)

日頃の診療で聴診をしていると、シューシューと雑音が聞こえる方がいます。

心臓超音波検査で心臓を観察してみると、大動脈弁が白く石灰化をして、弁の開きがあまりうまくいっていません。これを大動脈弁狭窄症といいます。

大動脈弁の開きが悪いと、脳に行く血流が少なければ意識を失ったり、また心臓を養う血管にうまく行かなければ、胸が重苦しい、いわゆる狭心痛が出現します。

特に未治療の大動脈弁狭窄症では5年生存率は20%ともいわれています。そこでこのような症状が出現した場合は、大動脈そのものに対し、弁を取り替えるといった外科的治療や、もしくはカテーテル治療で狭い弁口を押し広げて、代替の人工弁を入れる内科的治療が主になってきます。

まつばらホームクリニック院長 松原清二
理事長 松原 清二

先日福岡で行われていた日本循環器学会の総会では、外科的治療、内科的治療、各々の観点から、治療の良いところ、悪いところについて弁論が広げられていました。

単純なイメージとしては、カテーテルのほうが身体への負担が少ないから良い印象を持ちますが、実際のところは、カテーテル治療によって大動脈弁の付近の心臓を養う血管の入り口付近が狭くなることがあり、結果、心筋梗塞発症の危険があることや、石灰化している弁口を折り畳んだ人工弁を広げる形になるので、その際のカスが頭に飛ぶと脳の血管が詰まり、脳梗塞になる可能性もリスクとしてはあるとのことでした。

また外科治療は生存率は大変高く、なかなか代え難い治療との話でした。ただ内科的治療もデバイスが更新され、ある施設では外科治療と遜色ないレベルまで治療成績は良いとのことでした。

高齢者の大動脈弁狭窄症は日頃の診療で見つかりやすい疾患で、意識を失う、やたら胸が痛いことが多いなどの症状がある場合、治療ができる専門の医療機関に紹介すれば、患者さんに大きな福音がもたらされるなと思いました。

タウン通信 まつばらホームクリニック

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