先日、娘の大学合格祝いで整形外科医の叔父との食事会の時、骨粗鬆症対策について話しました。
私としては日頃の患者さんが骨粗鬆症治療をしていても腰痛圧迫骨折や大腿骨頸部骨折を発症し、それから寝たきりになってしまうことや、多剤内服をしている関係でその治療薬が「命に直結する薬ではない」と中断されがちになる、大変難しい病気だという認識を持っています。
理事長 松原 清二
ところが、そうした私の意見に対して叔父は、やや首を傾げながら、骨粗鬆症治療は本来は薬物治療のみならず、運動療法が必要で、「君が主に関わっている要介護の患者さんには適切な運動負荷が足りず、治療としては未完となっているのではないか」と指摘してきました。確かにその通りだなと思いました。
ちょうどその頃、在宅医療での骨粗鬆症の取り組みについて研究会で発表する予定で、運動療法についても勉強をしているところでした。そのなかに、効果的な療法として、「片手はすぐに何かにつかまれるようにして、片足を地面から10センチ浮かして1分間行う」というダイナミックフラミング療法が紹介されていました。この運動により、特に股関節には53分間の歩行に相当する負荷がかかっているということでした。
叔父の病院でも、ダイナミックフラミング療法を用い、多くの患者さんが継続できているようです。
それからというもの、患者さん宅に回り、骨粗鬆症のリハビリでは、実際に我々が1分間片足を上げてデモを見せています。日に数回もデモをすると私も股関節が痛くなるので、それなりに負荷があることを感じています。皆さんも骨粗鬆症予防に1日に3回程度なさると良いと思います。